2019年6月7日・8日名古屋視察レポート

2019年6月7日から8日にかけて、東京TSネットのメンバーで名古屋へ視察研修に行ってきました。今回は、一緒に同行してくださった奥田弁護士よりレポートをいただきましたので、掲載いたします。

弁護士の奥田真帆と申します。6月7日から8日にかけて、東京TSネットの皆様とともに、名古屋に視察に行ってきました!

今回の旅の主眼は、この4月から愛知でスタートした「よりそい弁護士制度」について、同制度の創設をリードされた弁護士の田原裕之先生にお話をうかがうことでした。

田原先生の事務所にうかがって、「よりそい弁護士制度」の制度概要、創設までの道のり、制度に込めた思いなど、お話をお聞かせいただきました。刑事弁護人としての活動(少年については付添人活動)が終了した後も、その人の社会復帰と再犯防止のために活動することが、弁護士に期待されている社会的役割なのではないか。「よりそい弁護士制度」は、そのような考えから、これまで弁護士がボランティアとして行ってきた入口段階・中間・出口段階の支援活動を弁護士会として位置づけ、弁護士会が一定の費用を負担しようという制度で、全国では今回の愛知県弁護士会での制度創設が兵庫県弁護士会に続いて2県目だそうです。

法務省による再犯防止推進モデル事業として愛知県から愛知県弁護士会が委託を受けており、同モデル事業の枠組みにあてはまる活動については同事業の委託費から費用支出がされますが、同モデル事業ではカバーされない範囲については、愛知県弁護士会の独自事業として同会の予算から支出されるしくみです。独自事業は今のところ2年間の時限制度とのことですが、実績を積んで、恒久化をめざしているとのことでした。

個人的に「よりそい弁護士制度」の画期的だなと感じたところは、費用支出の対象となる支援活動の内容が、弁護士としての法律事務に限られないところです。支援にあたる弁護士が、その人の社会復帰や再犯防止に役立つと考えることであれば、たとえば面会に行ったり手紙のやりとりをしたりといった、幅広い活動が対象になりうるとのことでした。弁護士が、法的な側面の支援者としてだけでなく、いわば人間として丸ごとその人と付き合っていくこと、そのことによってその人の更生の一助になることを弁護士会が後押しし応援してくれるというのは、大変心強いことだなと思いました。

後半は、愛知県弁護士会の触法障がい者支援に関する検討チームご所属の櫻井義也弁護士にもおいでいただき、愛知県弁護士会での触法障がい者支援の取り組み状況についてご紹介いただきました。同チームでは、目下、在宅被疑者の援助事業の実施について先行他会に照会し検討中とのことであり、積極的な活動に敬服しきりでした。

写真左:田原裕之先生(名古屋第一法律事務所)/写真右:櫻井義也先生(愛知さくら法律事務所)

写真左:田原裕之先生(名古屋第一法律事務所)/写真右:櫻井義也先生(愛知さくら法律事務所)

 

 

 

2日目は、愛知県から地域生活定着支援センター事業を受託しているNPO法人「くらし応援ネットワーク」の本部にお邪魔し、理事長の岡部昭子様と相談員の方々にお話をお聞かせいただきました。これまでの地域定着としての活動に加え、最近は名古屋市再犯防止推進モデル事業の受託機関として入口支援に取り組まれている中での、出口支援に比してコーディネートのための時間的余裕がない入口支援特有の悩ましさなどについてお話いただきました。法人の就労支援や就学支援の取り組みについてもご紹介いただき、理事長や職員の皆様の、生きづらさを抱えた方々の支援にかける熱意に圧倒される思いでした。

2日間とも大変充実した視察となり、お世話になりました皆様に厚く御礼を申し上げます。受けた刺激を糧に、日々の活動を頑張って参りたいと思います。

写真左から:理事長岡部昭子様/相談員丹羽宏太様

写真左から:理事長岡部昭子様/相談員丹羽宏太様