2019年度東京TSネット主催連続セミナー「生きづらさを抱えた人をささえる」第3回「ブーケを手わたす-知的障害者の恋愛・結婚・子育て-」レポート

東京TSネットの連続セミナー,今年度は「生きづらさを抱えた人をささえる」というテーマでお送りしています。2019年12月14日,第3回「ブーケを手わたす-知的障害者の恋愛・結婚・子育て-」が開催されました。

最初に,平井威さん(明星大学客員教授・明治大学兼任講師・NPO法人OHANA理事)から,今回のテーマに関する基調講演をいただきました。平井さんからは,障害の有無に関わらず,性をエンジョイすることは人間らしく生きることに欠かせないもので,これを保障することがノーマライゼーションの鍵になるという指摘がありました。
現在は,障害者の恋愛・結婚・子育てなどを権利として正面から認める流れになり,都道府県や市町村の条例でも,これらを意識的に定めている地域があるようです。また,先進的に取り組む機関として,長崎県の社会福祉法人南高愛隣会の結婚推進事業「ぶーけ」,神奈川県のNPO法人「UCHI」で運営するグループホームでの関係支援が紹介されました。
平井さんのお話の中では,人生には色々な役割があり,恋愛・結婚・子育てによって,人生において新たな役割を得ることになること,その人の持っている役割の多さが,個人のライフコース(人生の歩み)を豊かにするという指摘が非常に印象的でした。

その後,グループホームUCHIで,実際に金銭管理などの支援を受けながら生活する小林さん夫婦に,お子さんと一緒に登壇いただきました。最初に,今までの自分の歩みをお話しいただいた上で,平井さんから小林さん夫婦にインタビューを行う形で進められました。
結婚の決め手,子どもを産むと決めたときの気持ち,結婚生活の中で楽しかったことや辛かったこと,結婚生活の中での具体的な支援内容などのインタビューがなされました。
小林さん夫婦が,グループホームの支援を受けながら家族としてやっていこうと決めた気持ちの強さや,現在の充実した暮らしが見えてくる内容でした。

最後は,会場からの質問に,平井さん・小林さん夫婦と,実際に小林さん夫婦に関わっているUCHIの職員の方々を交えて答えていただく形をとりました。
沢山の方から質問をいただきましたが,特に,小林さん夫婦が家族を持ったことによって,周囲の人に素直に相談することができるようになったという話や,今後家族としてさらに自立した生活を目指していることなどが非常に印象に残りました。

東京TSネットの連続セミナー「生きづらさを抱えた人をささえる」も,今年度は残すところあと1回となりました。次回のセミナーは,3月14日(土)10:00~17:00に,毎日新聞論説委員の野澤和弘氏をゲストに招いて開催予定です。これまで参加したことのない方も,是非,ご参加ください!

今回も,会場は株式会社TKC様にご提供いただきました。株式会社TKC様,ありがとうございました。
また,今年度の連続セミナーは,草の根市民基金・ぐらん様の助成により開催させていただいております。ありがとうございました。