2020年度東京TSネット主催連続セミナー「発達障害と犯罪・非行」レポート

残暑厳しい中、2020年9月5日に今年度2回目の東京TSネットセミナーを開催いたしました。今回も会場・オンラインと同時で行い、全国各地から約70名の方に参加いただきました。セミナーの始めに音声トラブルでご迷惑をおかけする場面もあり、申し訳ございませんでした。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

今回のセミナーは「発達障害と犯罪・非行」というテーマで開催いたしました。第1部では精神科医の立場で桝屋二郎先生にご登壇いただきました。発達障害の子どもたちが増えている現況や少年院入院者の要配慮者の増加、発達障害の二次障害や三次障害につながる環境面の影響などについてご説明をいただいた後、発達障害特性と触法に関してわかりやすく、豊富な資料を用いてご講演いただきました。

第2部では弁護士の立場から大石剛一郎先生にご登壇いただきました。はじめに弁護活動をすすめる上での重要なポイントをまとめていただき、事例を交えてご講演いただきました。事件を起こした人という捉え方ではなく、本人の「人生」を考えることの重要性を丁寧にお話いただきました。

今回、講師の先生方に別の立場からお話いただきましたが、丁寧なアセスメントと本人のニーズの聞き取り、社会的ネットワークが重要であることを、共通してお話していただいたことが印象に残っています。先生方の豊富なご経験からお話をしていただけた貴重な機会となりました。

ディスカッションでは、質問ツールを使って皆様から多くのご質問やご意見をいただき、時間の許す限り講師の先生方にお答えいただきました。いただいたご質問全てをご紹介して先生にお聞きすることはできませんでしたが、皆様からのご質問やご意見を皆で共有することができたことは非常に貴重な場であったと感じております。社会に向けて正しい情報の発信が重要であり、地道な積み重ねが必要というお話がありましたが、東京TSネットとしてこれからも力をいれていきたいと感じております。

アンケートでは、もっと長く聴きたかった、もう少し時間があったら良かったという声が多く寄せられ、参加された方々の関心の高さを感じられました。アンケートへのご協力をありがとうございました。

いくつか,参加された方の感想をご紹介いたします。

  • 今回初の参加でしたが、大変勉強になりました。TS ネットの皆様、誠にありがとうございました。また機会がありましたら、ぜひこのようなセミナー・勉強会に定期的に参加させていただければと思います。
  • 障害と非行の関係について以前から疑問に思うところが多かったが、丁寧なお話で非常にわかりやすかった。
  • 生まれながらに強度行動障害である人はいない、この桝屋先生の言葉は非常に印象的でした。周囲に放置されてしまう、適切な支援が受けられない、周囲の無理解から自尊心を傷つけられる。このような副次的な他の要因があるために、ときとして発達障害・精神障害が、三次的障がいである非行・犯罪とつながってしまう。このことをわきまえることは、周囲のいち人間として非常に重要に感じられました。
  • 事例は興味深く、どうしたらよかったのだろう・・と考えさせられました
  • オンラインの参加とさせていただきました。弁護士さんが本人への聞き取りの際に重視するポイントや、具体的なエピソードを踏まえてのお話を伺えてとても勉強になりました。日頃から、司法や福祉、医療、教育等の連携をネットワークを構築していく事の重要さも感じました。
  • 事件を起こし、多くの専門職に関わっても尚、支援に繋がらない事例はショッキングでした。
    本人に必要なニーズの聞き取りを時間をかけて行うことの大切さ。社会的処方に組み込めるように理解者と取り組みます。
  • 適切な支援とはどのような支援なのかについて、お話を伺うことができてよかったです。全てはその人を知ることから始まることを改めて実感しました。
  • 専門知識がなくてもわかりやすくためになるセミナーでした

今回も会場は株式会社TKC様にご提供いただき、感染予防についても特別にご配慮いただいております。株式会社TKC様,ありがとうございました。

次回のセミナーは12月12日(土)14:00~17:00に開催予定です。セミナー後のアンケートも参考にさせていただきながら、東京TSネットならではのテーマで開催する予定です。詳細につきましては、またFacebookやTwitterなどでお知らせいたします。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。(文責:青木)