平成29年度 おおたTSネット拡大定例会 第2弾 実施報告

9月16日の拡大定例会第2弾

「530のストーリー」~罪を犯した人たちの出会いが気付かせてくれたこと~
には98名の皆様にご参加いただきました。本当にありがとうございました。

伊豆丸さんからは、実践に伴う貴重なお話や、当事者の皆さんの語られる言葉をそのまま聞かせていただくなど、思いのこもったご講演をいただきました。

また、東京TSネットの及川代表からは、地域型との連携を含めたお話をいただきました。
そもそものつながりを作ってくださった浦崎弁護士からコメントをいただくこともでき、TSネットのこれからのつながりの広がりに勇気が湧いてきました。

みなさまのご協力のおかげでこのような会を開くことができ本当に嬉しく思っています。

今回アンケートはとらず、みなさまのご感想とご質問を付箋紙に書き込んでもらいました。質問には伊豆丸さんからのお答えもいただいています。
長文となりますが 当日の内容を再確認するのにとても良いと思います。是非お読みください!

感想

  • 8月下旬の視察ではお世話になりました。「人」として当たり前なことを再認識させて頂きました。ありがとうございます。関係者は,現地(雲仙)視察を行うべきだと強く感じました(生の声,フンイキ,歴史を知る重要性)。
  • 私自身が出会ってきた人たちの姿を重ねながらしみじみとお話を伺いました。「呼ばれる前に行く」ということに,忙しさも言い訳にしつつ少し腰が引けていたのですが,力強く背中を押していただいたように思います。ありがとうございます。
  • 今後,更生支援コーディネーターとして活動したいと思っているので,支援者としての覚悟や心構え,元受刑者の人たちの気持ちが少し理解できたような気がします。「またあいたいなぁ」と言ってもらえるように努力したいと思いました。
  • ありがとうございました。人と人のつながりについて考えさせられました。「人のぬくもり」って大切だと改めて思いました。
  • たまごの会,希望を感じます。小学生,中学生に今日の話を聞いてほしいと思いました。アセスメント実施者が多いので,知的な課題をあることが判明している児童・生徒が多いです。予防のための支援として刑務所の実態を知ってもらうことに意味があると思いました。
  • 福祉の仕事は,人と人とのつながりだと思っています。支援者さんとして利用者と関わるだけでなく,利用者さんにとっても,利用者さんのご家族にとっても,そして一緒に働く同僚にとっても「安心できる」「何かの時に思い出してもらえる」存在になりたいと思いました。
  • 糸が切れないように一人一人と向き合い続けること優しく受け入れること,それが伝わるときと伝わらない時があっても人と関わっていくことの大切さを感じました。
  • 「対象者に『どういえば良いのだろうか』と考えるのではなく,『いかに心地いい感情記憶を残せるか』ということが重要だという引用にはハッとさせられました。言葉や支援を薬の一種のように考えていたので「関係性」の重要性を強調される伊豆丸さんのお話は新鮮でした。
  • 障害が犯罪をおこすのではなく,障害があり,そこで社会福祉は充実していないなどの社会不適応を媒体とすることで障害が犯罪につながるということを理解することができました。「出所者という負い目」というものについてとても心をうたれました。社会からの白い目,支援者からの冷たい言葉。もし暴力団員であれば組員からの目や抜けていても入れ墨があれば反社会性があると思われてしまう。そこにしか居場所がなかったため暴力団に入るというのは生活のため犯罪をおかすことととても似ていると思います。出所者,元暴力団員というレッテルだけでなく,なぜそうなったか,1人1人の気持ちに向き合うことはとても大切なことだと思います。
  • 非常に勉強になりました。「抵抗とともに転がる」動機付け面接法の技法です。アディクション臨床に通ずる視点。
  • 対人援助の実践に脱帽です。当事者だけの責任だけではなく他者ひとりひとり,社会や教育の影響や責任も多分に感じました。人は人の温かみでしか回復できない,そう感じさせて頂きました。
  • 他人と自然に話せることはとても大事なことであり,とても難しいことであると思います。1対1の人として,まず話し自然に会話をお互いに行えるよう意識することの重要さを改めて感じました。感情記憶を残せるか,人として好きになってもらえるかとうお話を聞くことが出来て良かったです。
  • 関係性構築のお話は特に心に沁みました。自分が直接,受刑者と接することは今のところ考えられませんが,目の前の人を大切にすることが困難を抱えた人の力になり自分も人として救われると思いました。
  • 地域での,出来る事,自分の出来る事を考えさせられたお話でした。まずは優しい気持ち温かい言葉みんながそんなふうに出来たらすばらしいと思いますが,難しいのが現実です。1人からでもそんな方たちが増えたら良いと思います。
  • “出口支援”と同時に,警察や司法の場でのソーシャルワーカーの必要性も改めて強く感じました。
  • 本人と支援者 支援者と他の支援者 支援者と地域 本人と地域(世の中,社会)など 「つながり」の大切さを改めて感じました
  • とても興味深いお話や取組みについて聞けて勉強になりました。支援や人と関わるという根本の部分での大切なことも改めて感じることができました。これからの私自身の活動や仕事に活かしていきたいと思います。
  • 伊豆丸先生の「福祉は,手を伸ばしやすい人,支援の届きやすい人にしか支援してないのでは」という言葉にどきっとさせられました。自分の仕事を振り返らないといけないと思いました。
  • ナースコールが鳴る前に行く。すばらしいと思います。今はケアマネを辞め,障害者としてバイトでケアマネをやっています。改めて一人で抱え込まないことが大切だと思いました。
  • 初めての参加でした。子育てや自分のことでまだまだ手一杯ですが,数年前輝きMAXの若者の方の講演の際に知的障害の人達が犯罪に巻き込まれていることを聞きました。TSネットの様な拠点は必要だと思いますし,あると安心です。微力ですが自分も自分の子か自分の子の友人が巻き込まれないように何かできればなあと思いました。
  • 刑務所から出てきた人もすぐとなりにいる人も同じ人,刑務所を出た人は重い過去を背負っている人が多く,その分,苦しまれてきたのですね。
  • 相談支援員です。利用者さんとの関わりの中で,いつも正しい(正しいと思われる)答えを出そうとしてしまいましたが,伊豆丸さんのお話を聞いてまずは,関わるという大切さをあらためて感じました。ありがとうございます。
  • 「・・・ふくしよりじゆうがいいです」というコメントに身が震えました
  • 1、いかに心地いい”感情記憶”を残すか 2、持続可能性のために自立支援協議会を使う 3、若い人を育てる  の3つのポイントが強く印象に残りました

質問

  • 警察の取調べに同行はされるのですか?
    →取り調べには同行していません。
    警察署(留置所)での接見(面会)は、日常的に行っています。
  • 元暴力団員の方と関わりがあります。今,うつ病を患っており,はたらくことが困難なようです。組をやめたのは,本当に最近で,すべての人との関係を断ち切ったので人との関わりがなく,うつうつとしてしまうことが多いようです。彼にどんな支援をすること,すすめることができるでしょうか。
    →少ない情報の中での回答となりますので、その点ご了承いただければと思います)
    まずもって、孤立しない、させないことが大切だと思います。
    また、福岡県警や福岡県内での実例が参考になればと思います。
    具体的なご相談が必要でしたら、お気軽に伊豆丸までお問い合わせ下さい。
    一応、参考URLを添付します。

  • 今回の当事者は高齢者の方が多かった。現在,特別支援の教育や福祉の充実が進む中で,こういった刑務所に服役される若者(20代や30代)の方は多くいるのでしょうか。
    →戦後最大を示すほど少年犯罪が減ってきているので、“多く”という表現がどこまで適切か分かりませんが、福祉的な支援を要する若い世代の方も多く存在します。
    比較的、障がい程度の軽い方が多く、教育からも零れ落ち(特に卒業の狭間で)、福祉にも馴染めず(望まず)、就労にも結び付かず(すぐに離職)、社会にも理解されず(本人や家族)といった“狭間”に陥っている方が多いように思います。そういった意味では、本当の意味での“入口支援”とは、被疑者被告人段階ではなく、教育(文科省)等とも連携した、幼児期や児童期、青年期からの支援であるべであろうと個人的には思います。
  • 南高愛隣会では恋愛や結婚の支援をやっていると思うのですが,それと地域定着支援はリンクしてますか?
    →まだ実例としては少ないながらも、リンクしてカップリング等を支援している方はいます。
  • 530→570→?!   増える支援に丁寧に取り組んでいらっしゃる姿に心打たれました。あえて「支援」といっていいのであれば,その終わり(終結)はどのように考えていらっしゃるか教えていただければと思います。
    →文字に視覚化すると誤解を与えそうですが、難しい質問ですね。
    以下、伊豆丸個人の見解を記載します。
    570人と向き合った上で、私自身が基軸にしている価値観で申しますと、基本的には、ご本人さんが望む限り、関わり続けるべきであろうと思っています。
    しかしながら、その関わり方(濃淡・多機関連携・官民協働のシステムetc)をどう持続可能性のあるものにしていくか、この点については、日頃からtry&errorを積み重ねより実効性の高い支援体制を構築していくことに最大限注力しています。
    “一人の頑張りは大切。でも、一人の頑張りだけでは支えない”
  • 伊豆丸さんを支え続けるエネルギー源はなんだろうと思いました。
    →なんでしょう…よく質問されますが、毎回上手く回答できません 笑
    しいていえば、それは「好奇心」であるように思います。
    570人と出会って感じることは、「こんな現実があるのか」「こんな不遇な環境があるのか」「もし自分だったら、もっと悪いことをしたのではないか」と、私たちが暮らす“社会”とリアルな“現実”とのギャップに驚き、自分自身の価値観・常識を毎回覆させられます。
    大変な業務といってしまえばそれまでですが、その大変の裏には、自分自身の“価値観”を崩すような出会い・出来事が待っているのではないか、そんなワクワクドキドキな思いです。
    それらは、この領域に携わっているからこそ感じられたことであり、その“ギャップ”を知りたい、といった「好奇心」が源にあることは確かです。
    皆様、ご質問ありがとうございました。
    上手く回答出来ていない点もあるかと思います。
    ご不明な点などありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい

今後ともみなさまどうぞよろしくお願いします(^^♪
おおたTSネット代表 志村陽子